残り３試合と佳境を迎えている明治安田J３リーグ。沼津は、６勝10分19敗で最下位に沈んでいるが、直近は２試合負けなしを堅持。19位のカマタマーレ讃岐とは勝点「３」差と再び接近しており、この舞台へ生き残るために、最後の巻き返しを図っている。

さらに前節は、チームがさらに勢いづく勝ち星を飾ることができた。試合は開始早々にリードを許し、逆転した後にも再び追いつかれるという一筋縄ではいかない難しい展開を強いられたが、得点を奪うために攻め上がっていた宮㟢海斗の記念すべきJ初ゴールが起死回生の決勝点となって劇的な形で勝点３を獲得し、土壇場で勝利への執念を見せた。

特にここ最近は、“負けられない”という状況が一つひとつのプレーやゲーム運びという側面に顕著に現れており、最後まで“攻め続ける”というマインドセットを持ち切れないところに課題を残してきた。ただ、琉球戦では、最後まで“攻める”ことをやめなかった。CKから豪快なヘティングを叩き込んで同点弾をマークし、鮮やかなクロスで決勝点を演出した篠﨑輝和や値千金の決勝点を決めた宮㟢海斗は最終ラインの位置から失点リスクを恐れず、最後、勝ち切るためにゴール前へと飛び出した末に勝利へと導いた。最後まで勝利を諦めなかったチーム全員の執念が実った結果だ。

鈴木秀人監督は、試合後こう胸を張る。

「メンタル面での課題が非常に多く、勝ち点につながらない試合もあった。選手たちがこれまでの課題を乗り越えてくれた結果が今日の勝点３ですし、その価値は３以上だと思っています」。

泣いても笑ってもラスト３試合。まずはホームに群馬を迎え撃つ今節も“攻めのメンタリティー”で目の前の試合で勝点３を掴み取る覚悟だ。

群馬は、８月から９戦勝ちなしと苦しんできたが、直近はシーズン初の３連勝中。一時は残留を争うライバルと位置付けられていたが、現在は16位まで回復しており、今節を引き分け以上で終われば、自力で残留を決められる状況にいる。

また前節は、終盤までリードを許していたが、後半アディショナルタイムに山口一真とモハマド ファルザン佐名のゴールで逆転に成功。こちらも土壇場で勝ち越す勢いづく形で勝点３を手にしている。

最後まで気が抜けない勝負強さを備えた相手を迎える今節、アスルが最後に勝利への執念で上回り、さらに残留へ追い風を強める。

過去対戦成績