ここまで鈴木秀人新体制では２勝２敗。第31節を終えて最下位に沈んでいるが、19位の讃岐とは勝ち点「4」差まで詰め寄っており、上位の背中が見え始めてきたことも間違いない。その中で初陣となった第28節奈良戦（１○０）、待望のアウェイ初白星を飾った第30節高知戦（１○０）で勝利を飾り、結果も伴い始めている。だが、その後の試合では勝ち切れない試合が続いており、チームとして勢いに乗り切れていない現状もある。残り７試合、ラストスパートをかけられるかが問われている。

“ラブライブダービー”と銘打った前節は、開始早々に向井ひな太の個で切り裂いたゴールで先制したものの、その後にセットプレーなどから３失点。素早いプレッシャーと個々のクオリティーの高さを示した金沢を相手に、思うようなゲーム運びをさせてもらえずにゲーム内容としても完敗を喫した。またインテリジェンスの高いプレーでチームを引っ張ってきたエンリック・マルティネスが負傷交代、最終ラインの要である篠﨑輝和が脳震盪による交代など、トラブルも相次いだという懸念材料もある。

それでもこの舞台に生き残るためには、ホームサポーターの前で勝利を届けなければいけない状況は変わらない。シーズン途中から思うように出場機会を得られず、悔しさを募らせてきた沼田航征は、新体制では新たなポジションでもある３バックの一角を任せられ、正確な左足のフィードでビルドアップに安定感をもたらしており、右ウイングバックで持ち味を輝かせ始めている佐藤尚輝も監督交代を機にチャンスを掴み、そしてチームの危機を救おうとピッチで躍動している。怪我人が相次いでいる今こそ、チームの危機を救う救世主の登場がチームをさらに勢いづかせるためにも必要だ。

今節ホームに迎え撃つFC大阪は、16勝7分け8敗で4位。昇格争いを繰り広げており、こちらも勝たなければいけないプレッシャーと戦っている。後半戦は勝ち切れない試合も多く、前半戦の勢いに陰りが見えるが、前節は琉球を３−０で一蹴しており、現在２連勝中とこちらも昇格に向けてラストスパートをかけてきている。

だが、その相手をホームで下すことができれば、沼津としても一気に残留への機運を高めていけるのは間違いない。今節、そのターニングポイントを掴み、そしてホームサポーターの前で歓喜と希望を届けるー。そのためにアスルイレブンは、好調な上位に恐れず、クラブ一体となって、勝利への執念をピッチで示す。

過去対戦成績