沼津はようやく長いトンネルから抜け出した。

鈴木秀人新監督の初陣となった前節、ホームで奈良クラブに１−０で勝利。リーグ戦では、J３第19節以来、９試合ぶりの勝ち点３を手にし、チーム一丸となってリーグ7連敗をようやく食い止めることに成功した。

また試合内容でもポジティブなパフォーマンスが数多く見られた。

「新しい変化の中でこちらがやろうとしている場面が多く出せていたので、選手たちにとっても自信につながったのではないかと思います」（鈴木秀人監督）。

新たな布陣に様変わりした新体制では、監督交代から短い準備期間の中で、練習でトライしてきた成果を存分に発揮。鈴木秀人新監督は、「こちらが意図していたことをピッチ内で表現してくれたことが1番大きかった」と奈良戦でのパフォーマンスを振り返る。

攻撃面では柳町魁耀が値千金の決勝点をマークすれば、森夢真も何度も決定機に絡んだ。それぞれチーム最多タイの３本のシュートを放ち、攻撃のところで長所が輝いた。一方で、最近は失点の多さに頭を悩ませてきた守備でも危ない場面をほとんど作らせずに無失点でクローズできたことも大きな成果だ。

だからこそ次が本当の真価が問われる一戦となる。

「一つ勝てば、流れは変わる」―。そう信じてシーズンを歩んできたが、開幕戦以来の勝利を飾った第15節の金沢戦（３○０）、３連敗を食い止めた第19節・高知戦（４○０）と申し分ない勝ち方をしても、流れを手繰り寄せ切れずに悔しさを噛み締めてきた。

だが、その教訓がある。その壁を越えるべく、今節目指すものはたった一つだ。

「ここで連勝できれば、上にもプレッシャーをかけられると思いますし、チームにとってもさらに自信となっていいパフォーマンスを出せる。残り１０試合、全部勝たなければいけない状況なので、常にその意識を持たせられるようにしたい」。

ホームに迎え撃つ岐阜は、７月に監督交代を決断し、石丸清隆氏監督の下で就任当初は苦戦したが、リーグ戦では現在４連勝中と好調。特に22年まで沼津に在籍し、岐阜で10番を背負う北龍磨が２試合連続ゴール中とチームを牽引しており、警戒すべきキーマンの一人にはなるだろう。

そんな好調な相手に恐れず、ホーム連戦となる今節、初の連勝を勇猛果敢に掴みにいく。

過去対戦成績