前回のホームゲームで開幕戦以来となる待望の勝利を手にしてJ通算100勝目という節目を飾ったアスルクラロ沼津。今季初のホーム連勝を狙う明治安田J３リーグ第17節では、勝ち点１差で最下位に沈んでいるFC琉球を迎え撃つ。

ギラヴァンツ北九州と敵地で対戦した前節は、最後まで１点が遠かった。金沢戦で負傷交代した佐藤尚輝と森夢真が欠場し、両サイドに齋藤学と遠山悠希を起用したが、前半から相手にペースを握られると、20分にはサイドを崩されて失点。リードを許した後は、持ち前の粘り強い守備で我慢しながら反撃の時を待ち、71分に白輪地敬大と向井ひな太という機動力のある二人をピッチに投入する。そこから背後のスペースを攻略し、攻撃が勢いづき始め、81分に宮脇茂夫のロングパスに抜け出した白輪地がGKをかわしてシュートを放ったが、この決定機は相手DFのカバーに阻まれ、無得点のまま4試合ぶりの黒星に終わった。

新たな攻撃の舵取り役となっている渡邉綾平がすぐにチームにフィットしたことや、失点を最小限に食い止められる守備での粘り強さを継続できているという好材料はあるが、やはり得点が奪えなければ安定して勝ち点３に繋げていくことはできない。また今節は、鈴木輪太朗イブラヒームが累積警告で出場停止。そういった状況を加味しても、その代役候補となり得る白輪地敬大や向井ひな太ら攻撃陣の奮起が問われる一戦になる。

対する琉球もここまでは苦しい戦いが続いている。今季より現役時代は浦和レッズ一筋のキャリアを歩んだ静岡県出身の平川忠亮新監督の下でスタート。第６節の栃木SC戦で初白星を飾ったあとは、5試合負けなしと復調を見せたが、直近は１勝５敗と負けが先行しており、現在は連敗中という状況だ。前節はホームで松本山雅FCに3失点の完敗。この流れを食い止めようと勝利への執念を持って愛鷹に乗り込んでくるはずだ。

ここまでは不本意なシーズンを送っているチーム同士の対決にはなるが、そういったゲームで最後に勝敗を分けるのは勝利への執念だ。中山雅史監督は、久々の勝利を飾った後に改めてこうチームへの信頼を口にした。

「勝てない期間は長かったですが、選手たちは積極的にトレーニングしてくれていた。それがやっと結果につながったので、よりポジティブな気持ちで臨んでいけると思う」。

ミスを恐れないマインドセットで持ち前のアグレッシブさを全面に表現し、シーズンを占う重要な一戦でアスルクラロが最後にサポーターと共に歓喜を分かち合う。

過去対戦成績