アスルクラロ沼津は正念場を迎えている。

沼津は、中断前後でリーグ４連敗。第24節を終えた現在は、下位に沈んでおり、浮上のキッカケを掴めずに苦しんでいる。

今夏の中断期間では、球際や切り替えといったサッカーの本質となるベースの強化や自分たちのミスから失点を招くことが多い点を踏まえ、「どのエリアで、どういうプレーをするべきかという部分を選手たちに投げかけてきた」と中山雅史監督。自分たちの課題と向き合った３週間の成果が中断明けの第23節・栃木SC戦（２●３）では、選手個々が迷いなく、プレーして敗戦の中での光明として見られた。しかしその光明も結果に結びつかなければ、チームの自信として蓄えられない。

「結果に繋がらないと、また迷いが生じてしまう」―。

そう勝利を掴む重要性を中山監督は口にした。今季は、この壁を乗り越えられずに苦しんでいる。栃木戦では、不運なPKから先制されたが、一時は逆転まで至った。前節の宮崎戦は、開始早々にデザインしたセットプレーから先制することに成功した。だが、結果はどちらの試合でも敗戦を喫し、連敗を食い止めることができなかった。

ただどちらの試合も勝利の可能性が全くない試合ではなかった。だが、勝負の際を制することができず、その差によって敗れてきた。特にセットプレーの守備は改善点だ。２試合続けてセットプレーからの失点が続いており、その勝負弱さをリード直後に露呈してしまっている。セットプレーから易々と失点を与えているようでは、勝負の際を制することはできない。その勝利への執念をホームで見せなければいけない一戦となる。

今節、ホームに迎え撃つ栃木シティは、昇格１年目でJ２昇格争いを繰り広げている力のあるチームだ。ただこちらも中断前後でリーグ戦では、４試合勝ちなし（２分２敗）と足踏みが続いており、この状況を抜け出すためにも必勝を期して愛鷹に乗り込んでくるだろう。

最終ラインにはC大阪の最終ラインを支えてきたマテイ・ヨニッチが、前線にはJ１、J２で得点王に輝いた実績のあるピーター・ウタカなど、J１で実績豊富な強力な助っ人もいる。また今夏、FC町田ゼルビアからバスケス・バイロンも獲得し、本気でJ２を目指す覚悟に満ちている。

その相手の勢いに飲み込まれず、そして勝利への執念を上回って、ホームで勝ち点３を届ける。決して簡単ではないミッションを果たし、チーム一丸となって正念場を乗り越えたい。

過去対戦成績