【インタビュー企画】「強いチームではなく、勝利するチームを」
第28回JFL(2026-27シーズン)開幕に向け、アスルクラロ沼津がどのような想い、考えで、日々動いているかを、サポーター・地域・パートナー企業の皆様に知っていただくことを目的として、フロントスタッフインタビュー企画を全6回でお届けします。
第1回は【強化部編】。アスルクラロがどのような考えでチームを編成し、どのようなサッカーを目指しているのかを、強化担当の森川さんに、役割やクラブづくりへの想い、Jリーグ復帰に向けたビジョンについてお話を伺いました。
【インタビュー】「強いチームではなく、勝利するチームを」
――強化グループリーダー・森川さんが語る、Jリーグ復帰への覚悟
2014年、アスルクラロ沼津が初めてJFLに参入した年にクラブへ入社し、トップチームマネージャー、フロントスタッフ、普及コーチなど、さまざまな業務を経験してきた森川さん。
2023年からは強化担当として、選手・コーチングスタッフの契約交渉をはじめ、トップチームに関わる幅広い業務を担当。そして2026年からは強化グループリーダーとして、Jリーグ復帰を目指すチームづくりの中心を担っています。
昨シーズン、JリーグからJFLへ降格するという悔しい結果を経験したアスルクラロ。
だからこそ、2026-27シーズンに求めるものは明確です。
「強いチームではなく、勝利するチームをつくる」
「JFL優勝を果たし、必ずJリーグへ戻る」
クラブの強化を担う森川さんに、チームづくりへの考え方、今シーズンのチームの特徴、そしてJリーグ復帰への覚悟について話を聞きました。
クラブとともに歩んできた12年間
――まずは、これまでのキャリアと現在の役割について教えてください。
2014年、クラブが初めてJFLに参入した年にアスルクラロに入社しました。当時はトップチームのマネージャーを務めながら、フロントスタッフや普及スタッフなど、さまざまな仕事を経験しました。
2023年からは強化担当として、選手やコーチングスタッフの契約交渉をはじめ、トップチームに関わるさまざまな業務を担当しています
そして2026年からは、強化グループのリーダーを務めています。
――強化グループでは、具体的にどのような仕事をしているのでしょうか?
現在は強化グループ3名体制で、選手・スタッフとの交渉、査定、スカウティング、契約書の作成、選手教育、アカデミーとの連携など、それぞれ役割を分担しながら仕事をしています。
トップチームを強くするために必要なことは何なのか。
日々それを考えながら、一つひとつの仕事に取り組んでいます。
「勝利」にこだわる。それが強化担当の仕事
――強化担当という仕事の魅力、やりがいはどこにありますか?
チームの勝敗を左右する人選や戦略に関わる、非常に責任の大きな仕事だと思っています。選手の獲得一つをとっても、その判断がチームの結果、そしてクラブ全体に影響します。
私自身、長くこのクラブにいるからこそ、昨シーズンの結果については責任を感じています。だからこそ、私が求めているものは一つです。
「チームの勝利」です。
チームを勝利に導くこと。
それが、私にとって一番のやりがいです。
――強化担当として、最も大切にしている考え方は何でしょうか?
勝利への意識づくりです。
2026-27シーズンにJリーグへ復帰する可能性を、1%でも高めるためには何が必要なのか。常にそこを考えています。
「強いチーム」をつくるということと、「勝利するチーム」をつくるということは、少し違うと思っています。
私たちが目指しているのは、「勝利するチーム」です。
「強いチーム」ではなく「勝利するチーム」を
――シーズンを通して、どのような視点でチームづくりを進めていますか?
勝利に対する貪欲さを、クラブ全体の習慣として根付かせることです。
もちろん、強い選手を集めることも大切です。
でも、それだけでは勝てません。
チーム内に常に競争があり、お互いを高め合う。
そして、誰もが「試合に出たい」「チームを勝たせたい」という気持ちを持っている。
そういう集団こそが、本当に強いチームだと思っています。
――選手やスタッフと接する際に意識していることはありますか?
常に「中立」でいることです。
選手、スタッフのどちらかに寄り添いすぎるのではなく、判断する立場として、常に中立で平等に物事を見ることを意識しています。
強化担当として、時には厳しい判断をしなければならないこともあります。
だからこそ、感情ではなく、クラブにとって何が最善なのかを考えることを大切にしています。
「良いサッカー」ではなく、「勝つサッカー」へ
――2026-27シーズンのチーム編成で、最も重視したポイントを教えてください。
昨シーズン、負け越してしまったチームに、勝利を植え付けるためには何が必要なのか。「良いサッカー」ではなく、「勝つサッカー」をするチームとはどういうチームなのか。そこを徹底的に考えて編成しました。
昨シーズンから多くの力のある選手が残ってくれました。
そこに加えて、経験のある選手を獲得することもできました。
スタッフ陣については一新し、勝利するチームをつくることに長けた篠田善之監督を迎えました。スタッフも経験豊富なメンバーを揃えることができたと思っています。
――新加入選手については、どのような基準で評価していますか?
森川:まずは即戦力であることです。
ただ、今シーズンだけを考えているわけではありません。
この先のアスルクラロを担ってくれる選手であるかどうか。
そこも含めて選手を見ています。
――技術や戦術面だけでなく、人間性についてはいかがでしょうか?
森川:非常に重要だと思っています。
サッカーが上手いだけではなく、社会人としての適性も必要です。
アスルクラロでは地域貢献活動などを通じて、社会性を学ぶ機会があります。
そうした経験を通じて、「当たり前のことを、当たり前にできる選手」が育つクラブにしたいと思っています。
「この地域への想い」が、今シーズンの力になる
――今シーズンのチームの強みは、どこにあると考えていますか?
森川:この地域への想いです。
私たちはこれまで、「愛されて、勝つクラブ」を目指してきました。
しかし、昨シーズンは結果的に、多くの方々を悲しませるシーズンになってしまいました。その悔しさを経験した選手が、今シーズンも多く残っています。
あのときの光景を覚えている選手たちがいます。
だからこそ、今シーズンは勝利することで、この地域の皆さんに「もう一度、このクラブを応援したい」と思っていただけるようなクラブを目指したい。
それが、選手たちの力にもなると思っています。
――一方で、さらに成長していきたい部分はありますか?
森川:現状に満足しないことです。
一人ひとりが常に向上心を持ち続け、高いモチベーションを維持できるか。
そこが重要になってくると思います。
勝つためには、一人ひとりが昨日の自分より成長しなければいけません。
目指すのは「堅守速攻」。全員で守り、最速でゴールへ
――アスルクラロが目指すサッカーを一言で表すと?
森川:「堅守速攻」です。
全員でゴールを守り、最速でゴールを目指す。
シンプルですが、そこを徹底したいと思っています。
――サポーターの皆さんには、どのような試合を見てほしいですか?
森川:選手たちがピッチの上で全力で躍動している姿を見ていただきたいです。
そして、私たちの試合を通じて、スポーツ観戦の本質を感じてもらいたい。
スタジアムに来ていただいた皆さんと一緒に、そこでしか生まれない感動の空間をつくりたいと思っています。
――今シーズン、注目してほしいポイントは?
森川:ぜひスタジアムに来て、勝利のために全力で戦っている選手たちを見てください。それが一番だと思います。
JFLを知っているからこそ、簡単ではないことも知っている
――JFLを戦う上で重要になることは何でしょうか?
森川:私はJFLでの戦いを経験していますので、このリーグが決して簡単ではないことを理解しています。
相手も必死ですし、どんな試合でも簡単に勝てるわけではありません。
だからこそ、どんな状況でも目標を見失わないこと。
そして、全員が足並みを揃えて、同じ方向に進み続けることが重要だと思っています。
若手にとって、最大の育成は「試合に出ること」
――若手選手の育成については、どのように考えていますか?
森川:サッカー選手である以上、試合に出ることが一番の育成だと思っています。
選手たちには常に競争してほしい。
「試合に出るためには何が必要なのか」を一緒に考えながら、成長をサポートしていきたいと思っています。
――トップチームとアカデミーの連携については、今後どのように発展させていきたいですか?
森川:現状、アカデミーとの連携面に課題を感じています。
今後はより密にコミュニケーションを取り、トップチームで戦える選手を育てていきたい。アカデミーからトップチームへ選手が上がってくる流れを、もっと強くしていきたいと思っています。
――森川さんが考える「アスルクラロらしい選手」とは?
森川:自分のためだけではなく、誰かのために本気で戦うことができる選手です。
そういう選手こそ、アスルクラロ沼津の選手にふさわしいと思っています。
「愛鷹で、歓喜の涙を」
――強化担当として、2026-27シーズンの目標を教えてください。
森川:一戦必勝です。
一試合一試合を全力で戦い、目標であるJFL優勝を果たす。
そして、過去最強のチームとなってJリーグに戻ることです。
――順位や勝点だけではなく、チームとしてどのような成長を目指していますか?
森川:昨シーズンは、皆さんの期待を裏切る形になってしまいました。
だから今シーズンは、皆さんの信頼を結果で勝ち取りたいと思っています。
もちろん、試合に勝つことが一番です。
それに加えて、さまざまな活動を通して、この地域にとって「なくてはならない存在」へと成長していきたい。
サッカーだけではなく、クラブとして地域に必要とされることも大切だと思っています。
――シーズン終了時に「今年は成功だった」と言えるのは、どんな状態でしょうか?
森川:最終節のホーム・愛鷹で、超満員のスタジアムをつくること。
そして、そこで多くの方々の歓喜の涙を見ることができたら、成功だったと言えると思います。
Jリーグ復帰のために必要なのは「環境の安定」
――Jリーグ復帰に向けて、今クラブに必要だと考えていることは何でしょうか?
森川:練習環境の安定です。
強度と質の高い練習をするためには、安定した天然芝のグラウンドを確保することが最重要だと思っています。
そして、質の高い練習だけではありません。
選手たちが良いコンディションで戦うためには、質の良い食事などを提供できる環境づくりも必要です。
Jリーグで戦い続けるためには、選手がサッカーに集中できる環境をクラブとして整えていかなければならないと思っています。
5年後、「静岡県東部といえばアスルクラロ」と言われるクラブへ
――5年後、アスルクラロはどのようなクラブになっていてほしいですか?
森川:「静岡県東部といえばアスルクラロ沼津」と言っていただけるような、地域にさらに根付いたクラブになっていてほしいです。
サッカーを応援している人だけではなく、地域の誰もがアスルクラロのことを知っている。そして、この地域にとって欠かすことのできない存在になっている。
そんなクラブを目指したいと思っています。
――その実現に向けて、強化担当としてどのような役割を果たしていきたいですか?
森川:選手を獲得するときには、プレーヤーとしての能力だけではなく、人間性も含めて選考していきたい。そして、選手と二人三脚で成長をサポートしていく。
アスルクラロ沼津らしさにあふれた選手を育てていきたいと思っています。
必ずJリーグへ戻る
――最後に、サポーターの皆さんへメッセージをお願いします。
森川:どんな状況でも、アスルクラロ沼津と共に戦っていただき、本当にありがとうございます。今シーズンは、すべての試合で全力で戦い、勝利を目指します。
愛鷹で、皆さんと一緒に勝利を分かち合いたいです。
――地域の皆さんへはいかがでしょうか?
森川:日頃からクラブの活動にご理解、ご協力いただき、ありがとうございます。
この地域にとって欠かすことのできない存在になるために、これからも静岡県東部に根付いたクラブを目指していきます。
今シーズンも、多くの皆さんと愛鷹で一緒に戦えることを楽しみにしています。
――最後に、2026-27シーズンに向けた決意をお願いします。
森川:クラブが掲げる目標を達成するために、これまで以上に考え、行動します。そして、目標を達成できる確率を1%でも高めるための努力を続けます。
一戦一戦、全力で戦います。
必ずJリーグへ戻ります。
















