【クラブ創設35周年記念手記:33回目】山本浩佑氏

2025/11/06

 

2025年、私が生まれるのと同じ年に立ち上がったこのクラブが創設35周年を迎えられたことは、これまでクラブにさまざまな形で関わってくださった方々のご尽力とクラブに対する愛情の賜物であり、皆様に心より御礼申し上げます。

 

私は、現在一般社団法人アスルクラロスポーツクラブの代表を務めております。アスルクラロスポーツクラブでは、総合型地域スポーツクラブとして、スポーツを通じて地域の社会課題の解決や子どもたちの健やかな成長に寄与することを目的に事業に取り組んでいます。クラブが地域の方々の生活になくてはならないものになれるよう、この地域の生活に寄り添い、豊かになっていくことに貢献できる事業体となっていくことを目指しています。

 

私は、5歳から15歳まではサッカーで夢を追いかける1人のプレイヤーとしてこのクラブに在籍しておりました。そして2015年から2020年までは、トップチームのスタッフとして、以降はアスルクラロスポーツクラブで現在までクラブに在籍をさせていただいております。私自身が直接クラブに触れていた期間だけを振り返っても、数えきれないほどの場面が今も頭に残っています。

 

2016年、当時JFLを戦っていたトップチームは、愛鷹での最終節を終えて年間3位となり翌年のJ3参入を果たしました。当時のチームは選手のほぼ全員がサッカー以外に仕事を持ち、午前のトレーニングが終われば午後はそれぞれの就業先へ向かい業務に取り組んでいた状況でした。プロを目指すサッカークラブとして決して恵まれた環境とは言えない中、多くの方々の支えがあり、選手、スタッフの「東部地域にJクラブを」という強い思いがあり、手にすることができた結果でした。

 

私の記憶に残っているものの中から、その2016年度の最終節の1つの場面を紹介させていただきます。この試合は勝利すれば自力でJ3参入への順位要件を満たすことができる試合でした。試合終盤のアスルクラロがリードした状況の中、当時の吉田謙監督がテクニカルエリアを越えてピッチの選手たちに必死に声をかけているところを第4審の方に注意された時でした。

 

「人生賭けてるんだ!」

 

吉田監督の一切の偽りのない心の底からの言葉だったと思います。

現在トップチームは非常に厳しい状況に置かれています。この難局を乗り越えることは並大抵のことではありません。ただ、これを可能にしていくためには、アスルクラロ沼津に人生を賭ける思いで闘える者が結束し、それぞれの立場でできる限りを尽くし、全力で日々挑み続ける以外にありません。

このクラブと東部地域の皆様となら必ず成し遂げられると願っています。

 

 

共に楽しみ、挑戦し、支え合い、前進する。全力で。

アスルクラロスポーツクラブが提供する価値を、この地域のもっと多くの方々に届け、受け取っていただけるように。10年後も20年後もその先も、この地域にとってなくてはならない存在となり、そうあり続けられるよう私も挑戦を続けてまいります。

サッカーと同じでうまくいかないこともたくさん起こります。向かおうとしている先が正解かを知ることはできませんが、先の未来で振り返った時に、進んできた道を正解にできるかどうかは自分次第です。自分たちの可能性を信じて直向きに、うまくいかなくても何度でも挑戦し、これからもこの東部地域とともに歩んでいきたいと思います。

 

これからもアスルクラロ沼津をよろしくお願いいたします。

 

一般社団法人アスルクラロスポーツクラブ

代表理事 山本浩佑