【クラブ創設35周年記念手記:24回目】植松 正 取締役
アスルクラロ沼津 クラブ創設35周年記念手記
私とアスルクラロ沼津との最初の接点は2007年11月に遡ります。取引銀行からの要請を受け、クラブに関わり始めました。月に一度ほど訪問し、山本浩義さん・好子さんご夫妻に財務面での助言をしていたのが始まりです。
大きな転機となったのは2013年夏、浩義さんからトップチームのJ3参入構想を聞いたときでした。銀行員時代にJクラブ経営の難しさを痛感していた私には無謀に思え、大反対しました。しかし、その熱意に心を動かされ、最終的には私の会社も増資に協力することとなりました。
二度目の転機は2022年春。コロナ禍の影響で前年度は2期連続赤字となり、クラブは債務超過に陥りました。ライセンス維持のため黒字化が絶対条件でしたが、シーズン当初は到底達成できる状況ではありませんでした。そこで私は羽切取締役(NNH代表取締役)とともにスポンサー招聘と経営陣刷新を提言し、三ツ星不動産サービス・谷強氏の支援を得て、同年12月に髙島雄大社長を迎える新体制へと移行。私自身も財務担当として取締役に加わりました。結果、黒字決算を実現し、皆さまの支援によりスタジアム照明の課題もクリアできたことから、無事J3ライセンスを守り抜くことができました。
2023年以降はスポンサー・入場料収入も増加し、3期連続の黒字決算を達成。2023年10月には条件付きながらJ2ライセンスも取得し、昇格への基盤を整えることができました。
振り返れば数々の試練を乗り越えてきた歴史でしたが、その歩みは常に地域の皆さまの熱意と支援に支えられてきました。これから先、アスルクラロ沼津がさらに成長し、夢を現実のものとするために、私自身も覚悟を持って力を尽くしてまいります。未来への挑戦に終わりはありません。
アスルクラロスルガ 取締役
沼津松長トラスト 代表取締役
植松 正