【インタビュー企画】「支援されるクラブではなく、共に地域をつくるパートナーでありたい」

2026/09/05

第28回JFL(2026-27シーズン)開幕に向け、アスルクラロ沼津がどのような想い、考えで、日々動いているかを、サポーター・地域・パートナー企業の皆様に知っていただくことを目的として、フロントスタッフインタビュー企画を全6回でお届けします。

第6回は、【営業担当編】アスルクラロ沼津の営業担当として、パートナー企業との関係づくりに奔走し、クラブの未来を支える秋山卓哉さんに、パートナーシップへの考え方、地域企業とのつながり、そしてJリーグ復帰に向けた覚悟についてお話を伺いました。

 


【インタビュー】「支援されるクラブではなく、共に地域をつくるパートナーでありたい」――営業担当 秋山さんが語る、パートナーシップの本質とJリーグ復帰への覚悟

 

大学卒業後に証券会社で経験を積み、アスルクラロ沼津へ営業として入社。現在は、クラブを支えるパートナー企業との新たな関係づくりや、既存パートナーとのつながりを深める役割を担っています。

JFLという新たなカテゴリーで戦う26-27シーズン。

「スポンサー」ではなく「パートナー」。

「協賛金をいただくこと」をゴールとするのではなく、企業が抱える課題や地域の未来に向き合いながら、クラブだからこそ提供できる価値を追求する。

今回は、営業担当としてクラブの未来を支える秋山さんに、パートナーシップへの考え方、地域企業とのつながり、そしてJリーグ復帰に向けた覚悟について話を聞きました。

 

1.証券会社で培った経験を、スポーツビジネスの現場へ

――まずは、これまでの経歴と現在の担当業務について教えてください。

秋山:大学を卒業してから、まず証券会社に入社しました。
約7年間勤めた証券会社では、数字を扱う仕事ですので、物事を論理的に考えることや、お客様が何を求めているのかを考えることを徹底的に学びました。
その後、アスルクラロ沼津に入社して6年目になります。
現在は営業担当として、パートナー企業との契約や新規パートナーの開拓、既存パートナーとの関係づくりなどを担当しています。

 

――金融の世界からスポーツクラブへ。大きく環境が変わりましたね。

秋山:そうですね。
証券会社とスポーツクラブでは扱うものが全く違いますが、「相手が何を求めているのかを考える」という部分は共通していると思っています。
企業がクラブに求めているものは、単純に広告を出すことだけではありません。
採用、認知度向上、社員のエンゲージメント、地域とのつながりなど、企業によって抱えている課題は様々です。
そこをしっかり理解して、アスルクラロとして何ができるのかを考えることが、営業担当として大切な仕事だと思っています。

 

2.「スポンサー」ではなく「パートナー」――企業と共に価値をつくる

――営業活動において、最も大切にしている考え方は何でしょうか。

秋山:
「スポンサー」という言葉がありますが、私は「パートナー」という考え方を大切にしています。
もちろん、最終的には協賛金という形でクラブを支えていただくことになりますが、
そこがゴールではないと考えてます。
企業が抱えている採用や認知度、地域との関係づくりなどの課題に対して、アスルクラロの持っているリソースをどう活用していただけるのか。
企業とクラブが一緒になって価値をつくっていくことが、本当の意味でのパートナーシップだと思っています。

 

――その関係を築くために、普段から意識していることはありますか。

秋山:

まずは礼儀です。実際に企業の方々と直接的に接するのは選手ではなく、私になります。
私の印象でクラブへの印象も変わってしまうこともあると思いますので、当たり前ですが、態度や言動には注意を払って接してます。
また、できるだけ企業の皆さんのところへ足を運ぶこと、密に連絡をとるという点も意識してます。
そうやって積み重ねた関係が、最終的には信頼につながると思っています。
ただ、全ての企業様と十分な連携が取れているとは言えない現状もありますので、改善していきたい点でもあると考えております。

 

3.クラブが地域企業をつなぐ「ハブ」になる

――現在、パートナー企業同士のつながりを生み出す取り組みも行っていますか。

秋山:はい。その一つが「ホームゲーム盛り上げプロジェクト」です。
3年前に5社からスタートした取り組みですが、現在は9社の企業に参加していただいています。
元々はホームゲームをどのように盛り上げるかという目的のもと、参加企業様にご協力いただき、ホームゲーム場外にて縁日エリアを実施しました。この縁日については3年続けて実施しており、お子様を中心に大変好評なイベントとなっております。
また、この取り組みで嬉しいのは、この活動だけでの関係ではなく、パートナー企業の皆さん同士での関係が生まれていることです。
実際に、企業の方同士で定期的な食事会も開催されており、そこから本業の商談につながったという話を聞いております。
そういう話を聞くと、クラブが地域企業をつなぐ役割を果たせているんだと実感します。

 

――クラブが地域の企業同士をつなぐ存在になるということですね。

秋山:そうです。
アスルクラロを応援している企業同士がつながり、そこから新しいビジネスや交流が生まれる。
それはクラブにとっても、地域にとっても大きな価値だと思います。
「アスルクラロを応援していて良かった」と企業の皆さんに思っていただけるような関係を、これからもっと増やしていきたいですね。

 

4.JFLという逆境だからこそ、地域とのつながりを強くする

――26-27シーズンはJFLでの戦いとなります。営業面ではどのようなシーズンにしたいと考えていますか。

秋山:JFLにカテゴリーが下がったことで、当然、厳しい状況になっています。
ただ、私はこの状況を悲観するだけではなく、クラブの存在をより多くの地域の方に知っていただくチャンスにしたいと思っています。
今シーズンは、新たに10社の看板パートナーを獲得することを目標にしています。
そして、「沼津のクラブ」から「静岡県東部のクラブ」へ、さらに認識を広げていきたい。
静岡県東部20市町の皆さんに、「アスルクラロは自分たちのクラブだ」と思っていただけることが大切だと思っています。

 

――そのために、どのような活動を考えていますか。

秋山:パートナー企業様や地域の皆様との関係作りにおいて
選手の存在は非常に大きいと思います。

実際、パートナー企業様や地域のイベントに選手が参加すると皆様喜んでいただけます。
当然ながら選手には日々の練習に集中してもらいたい想いもありますが、 選手たちの企業訪問など、地域との接点をもっと増やしていきたいです。
そうした活動を積み重ねることで、アスルクラロを身近な存在と感じていただけるようになると思います。
カテゴリーが変わったからこそ、もう一度地域の皆さんとの関係を一から築いていく。
その覚悟で取り組みたいと思っています。

 

5.パートナーに「スタジアムへ来てもらう理由」をつくる

――パートナー企業との関係を深める上で、ホームゲームの価値も重要になります。

秋山:そうですね。
現在、パートナー企業の皆さんにお渡ししているチケットについて、実際にスタジアムへ足を運んでいただけている割合が、まだ十分ではありません。
これは営業だけの問題ではないと思っています。
「チケットを渡したから来てください」ではなく、「スタジアムに行きたい」と思っていただける理由を、クラブ側がつくる必要があります。
営業、運営、広報、グッズなど、部署の垣根を越えて考えていかなければいけません。
サッカーを普段あまり見ない方にも、「今日はスタジアムに行ってみよう」と思っていただけるような企画や演出も必要です。

 

――スタジアムそのものの魅力を高めることが、パートナーシップにもつながる。

秋山:その通りだと思います。
サッカークラブですので、最も大切にしなくてはならないものが試合です。
パートナー企業の皆さんに、「アスルクラロのホームゲームに社員や家族を連れて行きたい」と思っていただける。
さらに、スタジアムで多くの人が楽しんでいる姿を見て、「このクラブを応援していきたい」と思っていただける。
そういう循環をつくることが大切です。
クラブ全体で、試合の価値を高めることができれば、それがパートナー企業の皆さんに提供できる価値を高めていくことにも繋がると考えてます。

 

6.「静岡県東部のプライド」を、クラブの力に

――秋山さんが営業活動をする上で、大切にしている地域への想いはありますか。

秋山:私は、沼津出身で幼稚園生の頃からアスルクラロのスクールに通うなど学生時代は沼津でサッカーを続けてきました。
小学生年代ではアスルクラロやその他の東部地域のクラブが県大会で優勝することも多々ありました。
しかし、中学、高校と年代が進むにつれ、東部のチームが県内で勝ち上がることが少なくなっていきます。
その理由としては、東部出身の優秀な選手は年代が進むにつれ、静岡中部の学校やチームを目指すようになっているからだと思います。
実際、私も子供の頃は、ジュビロ磐田、清水エスパルスの2チームが県内プロクラブとしてありましたので、そちらに憧れを抱いておりました。
ただ、今は東部地域にもアスルクラロ沼津がプロクラブとして存在します。
私は、子供の頃から感じている県内サッカー界の序列のようなものを覆していきたい。
静岡県には、ジュビロ磐田、清水エスパルス、藤枝MYFCなど、素晴らしいクラブがあります。
そうしたクラブを追いかけて、追い越したい。
多くの子供達がアスルクラロに憧れを持って欲しい。
アスルクラロ沼津の発展が静岡県東部のサッカーの発展に大きく繋がると考えております。
そのためにも、アスルクラロ沼津が静岡県東部を代表する存在にならなければいけないと思います。

 

7.ピッチの外でも、一歩ずつJリーグ復帰へ

――最後に、26-27シーズンに向けた決意を聞かせてください。

秋山:私たちは ピッチの中の結果を直接変えることはできません。
だからこそ、私たちフロントスタッフができることを一つひとつ積み重ねていきたいと思っています。
パートナー企業の皆さんには、「支援していただく企業」ではなく、「一緒に戦う仲間」になっていただきたい。
そして、まだアスルクラロと関わりのない企業の皆さんにも、「このクラブ、地域を一緒につくっていきませんか」と伝えていきたいです。
JFLで戦う今だからこそ、クラブの存在意義が問われていると思います。
営業として、パートナーの皆さんにしっかりと価値を返し、地域の皆さんに必要としていただけるクラブをつくる。
それを積み重ねた先に、Jリーグ復帰があると思っています。
26-27シーズン、ピッチの中では選手たちが戦います。
そして、ピッチの外では私たちフロントスタッフが戦います。
クラブに関わるすべての皆さんと一緒に、必ずJリーグへ戻りたいと思っています。

 

「アスルクラロを応援していて良かった」と思っていただけるクラブへ

パートナー企業からいただく協賛金は、クラブを支える大切な力です。
しかし、秋山さんが目指しているのは、単に企業から支援を受ける関係ではありません。
企業同士がつながり、新しいビジネスや交流が生まれ、地域との接点が増えていく。
そして、パートナー企業の皆さんがスタジアムに足を運び、選手やサポーターと同じ空間で勝利を分かち合う。
「アスルクラロを応援することが、自社にとっても、地域にとっても価値がある」
そんな関係を、一つひとつ築いていく。
JFLという厳しい環境だからこそ、クラブと地域企業とのつながりは、より強く、より深くなる可能性があります。
ピッチでは選手たちがJリーグ復帰を目指して戦う。
その舞台を、フロントもまた、それぞれの立場から支えていく。
「静岡県東部と言えば、アスルクラロ沼津」
そう言っていただける未来に向けて、秋山さんの挑戦は続きます。

 

 

OFFICIAL PARTNER