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【10月2日(日) 松本山雅FC戦】
マッチデープログラム
安在 達弥選手インタビュー
(全編)

“安在達弥の思考力を紐解く。
「考えるほどサッカーが楽しくなった」。”

Q:サイドバックとして最も意識していることはどこですか?

安在:チームがうまく潤滑するようにというのを意識しています。
ボールを保持するスタイルでやっている中で、どうしたらボールがうまく回るかというのを考えて自分のポジションを取るようにしています。

Q:自分の立ち位置はどのように決めていますか?

安在:誰かが空けてくれたスペースを使ったり、自分がスペースを空けて誰かに使ってもらうこともありますが、一番は、自分がもらうことでゲームを落ち着かせられる、逃げ道になれるようにというのを意識しています。

Q:自分の立ち位置を決める上で味方の特徴をどのように反映させていますか?

安在:例えば、染矢選手ならサイドで1対1を仕掛けられる選手なので、染矢選手がワイドにいる時は自分が内側を取るようにしたり、きいちゃん(佐藤尚輝)ならそれをどっちも取り入れながらお互いのポジションを見てやっています。
同じサイドで組む選手によって得意、不得意があると思うので、そこを合わせられるように意識していますね。

Q:どちらかといえば、周りの立ち位置を見た上で自分が決めることが多いですか?

安在:もちろん自分が裏を取れると思った時には背後を取ったり、自分本位で動くこともあります。
ただ一番は、みんなが、自分の前のポジションの選手がやりやすいようにやるのが一番良いかなと思っています。

Q:自分の中では確立されたパターンがあるんでしょうか?

安在:パターンとまではいかなくても、『こうなったら、こうなるよね』というのがある程度掴めているので、そこはみんなとも話し合いながら模索してきた感じです。
その結果、パターンとして出来上がってきたものがあるという感触ですね。

Q:最近は選手のポジショニングがすごく重要になってきている現代サッカーの流れがあります。
その変化が最も大きいポジションがサイドバックだったと思いますが、今のサイドバックに求められることをどう感じていますか?

安在:サイドバックに求められることも増えてきましたし、自分がやれることも増えてきてすごく面白いです。
今の時代は、サイドバックの出来でゲームが決まるようなこともあると思います。
すごくやりがいを感じています。

Q:クラブの魅力を伝えていくためにどんなことをしていきたいですか?

安在:沼津の魅力を知らない人に伝えたいので、SNSをうまく活用したり、昨日みたいな違う業種の人たちがいるようなイベントに参加して、まずはアスルクラロを知ってもらい、そこから家族や友達を連れてきてもらって、観戦してもらうことで沼津の良さをもっと知ってもらえると思います。
少しずつの積み重ねだとは思いますが、そういう取り組みをピッチ外でもしていきたいと思っています。
何かイベントがあればどんどん参加するので、呼んでください(笑)。

Q:その辺りを踏まえてどのように自分自身の成長に繋げてきましたか?

安在:内側(の立ち位置)を取れるようになったことで、サイドバックとしてのプレーの幅が広がったと思います。
できることが増えたというのがやっぱり自分の中では大きいのかなと思いますね。

Q:最初からここまで考えるプレイヤーでしたか?

安在:考えるようになったんだと思います。
昔は本当に縦に走るだけのサイドバックだったというか、当時はそこまで考えなくても、タイミングを見ておけばできたと思います。あとヴェルディの時は、回すのが上手い選手が周りにたくさんいたので、だからこそ自分が回す方に参加しなくても縦に走れば、ボールが出てきていたところもあったとは思います。
プロサッカー選手になって相手のレベルが高くなればなるほど、それだけではいけないなというのを感じました。
めちゃくちゃ考えるようになって内側にポジションを取るようになった頃くらいから、もっとサッカーが楽しくなったという感覚です。

Q:年々サッカーが楽しくなっていますか?

安在:そうですね。
年々できることも増えてきて、まだまだサッカーが楽しくなるんじゃないかなと感じています。

Q:これからどんなサイドバックになっていきたいですか?

安在:理想としては、ゴールやアシストといった数字を残せるようなサイドバックになりたいですが、サイドバックはどうしても相手のプレッシャーを受ける場所になることが多いと思うので、そこを全部、剥がせるようになりたいです。
『あいつのところにいってもはまらない』と思わせるような選手になれれば一番良いのかなと思いますし、そこを意識してやっています。
”はまらない、はめられない”サイドバックになりたいです。

【安在達弥選手のバックグラウンドにあるものとは!?】

Q:取材を通じて感じるのは、常にサッカーを考えながらプレーしているなと。
その基盤はどのように築かれていったんですか?

安在:高校3年生の時にサイドバックをやっていましたが、当時は時代的にもサイドをガンガン上がっていくような選手でした。
そこから求められてくるものが変わってきた中で、自由にやらせてもらっています。
ヴェルディで学んだのは、ボールをどうやって動かしていくか。
例えば、当時から三角形の作り方をずっと教えてもらっていたので、自分がどの位置に立つことで三角形を作っていくか。
今は、その作り方を応用している感じです。
そういう意味でやはりヴェルディで学んだことが自分のベースになっているというか、ポジションを決める上ですごく重要な要素になっていると思います。

Q:求められるものが変化していく中でサイドバックとしての立ち位置をどうアップデートしてきましたか?

安在:マンチェスター・シティの試合で、カンセロが内側(の立ち位置)を取っているのを見て、『こういうサイドバックのポジションの取り方もありなんだ』という発見があって、やってみようという感じでやり始めました。
それでゲームの展開が良くなった時に『これでいいんだ』ということを感じて、当時は染矢選手と(同サイドで)組んでいることが多かったので、二人で話し合いながら、染矢選手からも「内側を取ってくれれば、外から仕掛けられるから」ということで、二人の相性的にも内側を取るというのが武器になっていき、いろんなスペースに入っていくことが増えたんだと思います。

Q:カンセロの動きを参考にすることが多いですか?

安在:マンチェスター・シティの試合をよく観るので、カンセロもそうだし、最近はウォーカーもよく内側に入っているのでシティの選手は見ることが多いですね。
あとはバルセロナの試合も見ます。
バルセロナのサイドバックもはまらないのが上手くて、シティみたいに極端に内側まで入ることはないですが、ハマらないポジションを取るのが上手いイメージです。
バルセロナの選手の立ち位置や回し方、逃げ方とかは参考にしていますね。

Q:サッカーを観るのもポゼッションがベースにあるチームなんですね。

安在:そっちの方が面白いというか、自分達がボールを握って、どうにか相手を崩すというメンタリティーで育ってきたので好きなんだと思います。
逆にロングボール主体で小さい頃からやっていたら、ここまでサッカーを好きになってなかったんじゃないかなと思うくらいヴェルディのサッカーに影響されているんだと思います。

Q:育成年代からボール保持のチームに身を置いてきたからこそ感じているボールを繋ぐために大切なことはありますか?

安在:顔を出すことと、ボールを欲しがることですね。
誰か一人でもプレッシャーにビビってボールを受けようとしなかったりすると、ボールが回らなくなる。
もちろんミスは起きると思いますけど、消極的でボールを回せないくらいなら、強気にポジションを取ってミスした方が良いという感じで教わってきたと思います。
だから今も強気に内側入ったりできるんだと思います。

Q:そういうボールを握るためのメンタリティーがプレーにも落ち着きをもたらしているんでしょうか?

安在:最初からメンタル的に余裕でできるような選手ではなかったと思います。
むしろどちらかといえば、プレッシャーを受けてしまうタイプでしたけど、最近は逆に楽しめるようになってきたところがあります。
相手が(プレスに)出てきているなら剥がしたらチャンスになるという風に思えるようになってきましたし、剥がし方のレパートリーが自分の中で増えてきたのかなと。
あと最近は、最初の立ち位置でプレス自体を回避できるというのを感じているので、(プレスに)はまらないところに立てるようになったところも一つ大きいのかなと思います。
だからパスをもらう時点で、次の展開が見えているようなところに立てることが増えてきたことが落ち着きに繋がっていると思っています。

Q:加入当初と今を比較してチームの成長を感じていますか?

安在:加入当初からそこまで選手が入れ替わっていませんが、もともと技術が高い選手が多かったと思います。
特に今年は、立ち位置とか、どうボールを動かすのかという部分が浸透してきて、最初の頃は結構良い試合が多かったと思っていました。

Q:個人的にはシーズン当初によく組んでいた徳永晃太郎、佐藤尚輝と右サイドのユニットがかなり良い感触でやれていたのではないかと見ていました。

安在:その時の3人はやりたいことがお互いにわかる感覚でしたし、描いたものが一緒のことが多かったと思います。
3人とも個人で局面を打開するタイプではないので、だからこそみんながどこに立っているかを見て、3人でローテーションしながらうまく循環できていたという感覚はありました。

Q:そのためにはチームメイトにもかなり要求しているんですか?

安在:個人的には言わないでうまくいかない方が嫌です。
だから誰に対しても言いますし、逆に相手が思っていることもそこで知れますよね。
それでどっちに合わせるか歩み寄っていけばいいと思います。
サッカーの中では自分の意見が全部正しいということはないので、相手の意見も聞きながら自分にない視点なら取り入れていけばいいし、要求はたくさんしますね。

Q:最初からそういうタイプでしたか?

安在:最初からだと思います。
特にサイドバックは、攻撃でも守備でも前の人との関係が悪いと自分が苦しくなるので、サイドバックをやるようになってからはどうすればうまくいくかというのを考えて、そういうところから要求するようになったと思います。

Q:最後にこのクラブでこれからどんな成長を見せていきたいですか?

安在:サイドバックとしては、相手のプレッシャーを外せるようになることと、ボールがうまく回るように立ち位置を試合中考えながら取り続けられるようになっていけたらいいなと。
あとは自分が来てから3年目ですけど、順位が成績として良くないことが多いので、良いサッカーをしているよねで終わるのではなく、そこから結果も残せるようなチームになっていきたいと思っています。

interviewer:森亮太